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第23回平和のつどい「被爆ピアノコンサート」を開催しました

開催日
2025/09/15 (月)
時間
13:00~15:30
開催場所
ボルファートとやま 2階ホール
主催
富山県生活協同組合連合会
参加費
無料

9月15日(月)、県内の生協が協力して、「第23回平和のつどい 被爆ピアノコンサート」を開催しました。(主催:富山県生活協同組合連合会 以下、「富山県生協連」と記載)

被爆ピアノとは、原爆が投下された1945年8月6日(広島)、爆心地より約3km以内で原爆の爆風、熱線、放射能の被害を受けたピアノのこと。広島でピアノの修理・調律を行っている矢川光則さんが、被爆者の方より1台のピアノを託されたことをきっかけに、2001年より被爆ピアノ全国巡演の平和コンサートを行っています。

今年は被爆・戦後80年という節目の年。若い世代にも平和の大切さを伝えたいという想いから、富山県生協連でもピアノの音色を聴きながら平和について考える機会として「被爆ピアノコンサート」を企画しました。

 

当日朝、矢川さん自らが運転するトラックで、被爆ピアノが会場に到着しました。

被爆ピアノが富山に到着!

被爆ピアノをスタッフの手で慎重に運び会場にセッティングした後は、矢川さんの手で本番前の調律が行われました。ピアノの音色に耳を澄ませながら、細かく丁寧に音を調節されている姿からは、矢川さんが被爆ピアノやピアノに込められた想いを大切にしておられる様子がうかがえました。

矢川さんの手で丁寧に調律されました

 

13時、「第23回平和のつどい 被爆ピアノコンサート」の幕が上がりました。

まずは第一部として、各会員生協や富山大空襲を語り継ぐ会による「平和の取り組み報告」が行われました。

「富山大空襲を語り継ぐ会高校生グループ輪音」の代表 西田さんには、実際に富山大空襲を経験し、長年その悲惨さを語り継ぐ活動をしてきた祖父から活動を受け継いだことをお話しいただき、「私たちが被爆者本人からお話を聞くことができる最後の世代だと思う。しっかり想いを受け継ぎ、未来へつなげていきたい」と活動への想いが述べられました。

また、とやま生協からは今年の8月4日、5日に参加した「2025ピースアクションinヒロシマ」について報告を行いました。実際に広島に足を運び、「ピースアクションinヒロシマ」に参加した小学生・中学生が登壇し、被爆者の証言や分科会への参加や、広島平和記念資料館などの見学から感じたこと、学んだことを自分のことばで発表しました。
「原爆投下後も後遺症に苦しむ方々が多くいたことを知り、戦争が終わった後も人々の悲しみや苦しみは続いているとわかった」「他人の痛みは他人のものであり、原爆を体験した本人にしかわからないけれど、知ろうとすること・一緒に考えることが大切だと感じた」など、ピースアクションをきっかけに感じた平和への想いを語ってくれました。

西田さんの活動報告の様子

 

ピースアクション参加者による報告(左上:仙名さん 右上:根反さん 左下:大谷さん 右下:水戸さん)

 

第2部はいよいよ、「被爆ピアノコンサート」の開演。

実際の音色を聴く前に、被爆ピアノを修理・調律し全国各地でコンサートを行っている矢川光則さんから、被爆ピアノの説明や活動への想いをお話しいただきました。

「広島でピアノの調律をしている中で被爆者の方からピアノを託されたことをきっかけに、被爆ピアノをトラックに積んで、日本全国、平和の種まきを行っています」と矢川さん。初めは広島県内だけで行っていたこの活動は、広島市長や市民から「日本全国、全世界に広げていってほしい」という声を受け、2005年から全国を回るコンサートに拡大したそう。

「見る見るうちに活動が広がっていき、昨年までは年140~150本のコンサートを行っていたんですが……今年はなんと300本のコンサートがあるんです。私はほとんど広島にいないんです」とお話があると、会場からは驚きから大きなどよめきが広がりました。

ピアノ1台で家が建つほど高価なものであった戦前の時代にピアノを保有していた人は非常に少なく、被爆ピアノは世界で12台しかないそうです。「この活動を長く続けるうちに、こんな形で使ってもらえるなら家のピアノも使ってほしい、と次々に託され、今は7台の被爆ピアノを私が管理しています」

今回のコンサートに使用したのは、30年前、矢川さんが一番初めに被爆者から託されたピアノ。北海道から沖縄まで日本全国をまわり、さらにニューヨークや2017年オスロ市で行われたノーベル平和コンサートなど、海外でのコンサートにも唯一使用されたピアノです。

「アメリカに被爆ピアノを持っていくことになった際は、原爆を落とした国に持っていくなんて、と被爆者を中心に広島で反対の声が広がりました。しかし、起こった過去は変えられないけれど、未来を変えることはできる。平和を願う気持ちは日本もアメリカも変わらないはずだとの思いでコンサートを実現しました」と矢川さんの平和に対する強い想いをお聞かせいただきました。

被爆ピアノへの想いを語る矢川さん

 

被爆ピアノに込められた想いをお聞きした後、ピアニストによる生演奏が始まりました。

まえはた まさのぶさんとシンコさんによるピアノ演奏と歌唱では、力強くもやわらかい被爆ピアノの音色が会場にやさしく響きました。「星に願いを」などのディズニー音楽のほか、この日のために作曲された「命のピアノ」という楽曲では、命の尊さや平和への想いを込められた繊細な音色が披露されました。

林 亜希子さんと一ノ瀬 浩子さんによるピアノとフルートのアンサンブルでは、「やさしさに包まれたなら」などのジブリ音楽が軽やかな明るい音色で奏でられました。観客席のみなさんは音楽に耳を澄ませて、じっくりとその音色に聞き入っておられる様子でした。

それぞれの演奏が終わると、会場には大きな拍手が広がりました。

矢川さんの手によって修理、調律され、被爆した当時と変わらないやさしい音色を奏でたピアノ。その素敵な音楽を通して、平和の大切さに想いを馳せる時間となりました。

(左)まえはた まさのぶさん、(右)シンコさん

(左)林 亜希子さん、(右)一ノ瀬 浩子さん

終演後、記念写真をとられる方も

原爆に関する展示もご覧いただきました

プログラムのサムネイル

 

参加人数 約250名

 

 

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