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とやま生協の食品添加物基準

とやま生協では、日本生協連の評価に基づき、何らかの制限を加える必要があると判断した添加物について「管理添加物」とします。「管理添加物」は「不使用添加物」、「使用制限添加物」にわけて管理します。

そもそも食品添加物とは

食品を製造、加工するときに使用されているもので、品質改良、調味、栄養付加、色や香りを付ける、保存などを目的に食品に加えるものです。

  • 食品の製造や加工に必要なもの

    豆腐を作る時に使う「にがり」

    豆腐を作る時に使う「にがり」 (塩化マグネシウムなど)

  • 保存性を良くし、食中毒を防ぐもの

    かまぼこのソルビン酸

    かまぼこのソルビン酸

  • 品質を高めるもの

    乳化剤や糊料

    乳化剤や糊料

  • 風味・外観をよくするもの

    着色料・発色剤・甘味料など

    着色料・発色剤・甘味料など

  • 栄養価を高めるもの

    ミネラル類(カルシウム、鉄分など)

    ミネラル類(カルシウム、鉄分など) ビタミン類、アミノ酸類

食品添加物の
リスク管理に対する考え方

  • ① 食品の安全に関わって、化学物質を評価する根拠は今日的な科学的「リスク評価」※注釈1とします。
  • ② 国のリスク評価・リスク管理※注釈2によって、基本的な食の安全が確保されていることを踏まえつつ、これらをより良くしていくというスタンスで、日生協連にてリスク評価・リスク管理を行い、国の不十分な点を埋め、国全体の食品安全レベルを向上させるよう取り組みます。
  • ③ 遺伝毒性発ガン物質※注釈3は、使用しません。
  • ④ 使用しなくてもすむ食品添加物はできる限り使用しない考え方を踏襲しながら、「総量規制」※注釈4の考え方に基づく管理は行いません。

※1 リスク評価

食品中に含まれるハザード(人の健康に対しての悪影響の原因になりうるもの)を摂取することによって、どのくらいの確率でどの程度の健康への悪影響が起きるかを科学的に評価することで、ADI(許容摂取量)などがある。

※2 リスク管理

人々の摂取量がその量に収まるよう、使うルールを決めて管理すること。

※3 遺伝毒性発がん物質

「発がん性あり」「遺伝子(DNA)を直接傷つける」「許容量(発がんリスクがない量)は決められない」物質。

※4 総量規制

  • 1978年日本生協連が提唱。食品添加物について「総量規制」⇒「明らかに有害とされているものはもちろんのこと、安全性が確かめられていないもの、使う必要のないものはできる限り取り除くことを通じて、食品添加物の種類と使用総量・摂取総量を減らしていこう」というとりくみ。
  • 「総量規制」という考え方は、1970年代に公害に対する効果的な規制のあり方として、個々の化学物質を規制するだけでなく、化学物質全体の排出総量をコントロールする必要が指摘されたことにならったもの。
  • 以前と違って現在では、リスクアナリシスに基づく食品の安全を守るしくみが整備され、食品に使用する化学物質について基本的な安全性が確保されるようになっています。
  • 過去に心配された複合影響は、個別物質を適切にリスク評価・管理していれば、現実に健康被害が生じる可能性は非常に低いと考えられています。
  • このような変化がある中で「総量規制」という考え方や表現を使い続けると、リスクアナリシスのもとで適正に管理されている食品添加物も含め、食品添加物全体に問題があるという誤解を生じさせます。

食品添加物使用の考え方

  • ① 安全性を確認できないなど、とやま生協が不使用と判断する食品添加物は使用しません。
  • ② 食品衛生法基準に則った使用を基本としながらも、組合員にとってより価値(有用性・有益性)のある商品となる場合、食品添加物の量や成分を制限して使用します。
  • ③ 食品添加物の安全性評価は現在の科学水準の中のもので、将来に渡って絶対的なものとはいえないため、その時代の最先端の科学による再評価、見直しを継続していきます。

商品取り扱いの留意事項

  • ① これまで組合員とともに育て多くの組合員から支持されている「素材の持つ良さを生かし、食品添加物の使用を抑えてきた」価値ある商品は、今後も引き続き大切にします。(例えば、無漂白数の子や無塩せきハム・ウインナーなどの商品)
  • ② 可能な範囲で、組合員が選択できるようお知らせしていきます。また確認できる環境整備を進めます。
  • ③ 輸入柑橘類の収穫後の防カビ剤として使われる「OPP」「TBZ」を使用した商品については、これまでの商品取扱いの経過や市販品との差異化も考慮して、運用上取扱わないことを基本とします。

食品添加物基準と適用範囲

「不使用添加物」と「使用制限添加物」の2つに整理し、新たな基準として管理していきます。

区分 考え方 適用範囲 品目数
不使用添加物 「遺伝毒性発がん物質と考えられる食品添加物」と「リスク評価の結果、安全性を量的に判断できる科学的根拠(ADI等 ※注釈5)が確認できないなど安全を見込むことのできない食品添加物」のことです。 とやま生協取り扱い商品すべてに使用しません。 10品目
使用制限添加物 リスク評価の結果、安全性を量的に判断できる科学的根拠はあるが、純度など成分規格に不十分な点がある添加物や、国が評価していない新しいリスク要因が懸念される添加物のことです。 日生協COOP商品は制限する内容を確認して使用します。コープ北陸(HCOOP)、とやま生協開発商品では使用しないことを基本とします。やむをえず、使用する場合は、他に代替えのない場合にのみ使用します。 47品目

※5 ADI(1日許容摂取量)

ヒトが一生涯にわたって毎日摂取しても問題ないとされる1日あたりの摂取量のことで、動物実験で一生摂り続けても、一日あたりこの量なら問題ない量の100分の1(動物とヒトの種の違いや個人差を考慮)にした値をいいます。 現在、この評価方法は世界的に共通な方法として採用されています。

不使用添加物
(2020年7月29日改定)

No 食品添加物 用途
1 デヒドロ酢酸ナトリウム 保存料
2 パラオキシ安息香酸イソブチル 保存料
3 パラオキシ安息香酸イソプロピル 保存料
4 パラオキシ安息香酸ブチル 保存料
5 パラオキシ安息香酸プロピル 保存料
6 臭素酸カリウム 製造用剤
7 グレープフルーツ種子抽出物 製造用剤
8 食用赤色104号 着色料
9 食用赤色105号 着色料
10 単糖・アミノ酸複合物 酸化防止剤